【講師コラム:龍村修】ヒーリング系ヨガの鍵

平成25年、明けましておめでとうございます。

今回は、ヒーリング系のヨガの行い方をまとめてみましたので、参考にしてください。
様々なタイプの技術系ヨガがありますが、ヨガが一番その特徴を発揮できるのは、瞑想系ヨガの行い方と、ヒーリング系ヨガの行い方でしょう。とりわけ、健康な人はともかくヨガを始めるきっかけに多くの人が心身の不調をあげられますが、筋肉のエクササイズではなく、Body-Mind-Spiritを一体として行い、肉体中心では得れない効果を発揮できるのは、ヒーリング系の行い方です。下記を参考にしてください。

ヒーリング系ヨガの鍵

ヒーリング系のヨガをするのに、肩こりであれ、腰痛、膝痛、内臓不調、不眠や頭痛であれ、心の問題であれ、どのような異常であっても、共通して必要な鍵となる事がある。
*Healingの語源は、ラテン語のHOLOSである。HOLOSからhealth, heal, holy, Holistic,などの語が派生して来ていて、宇宙=自然=全体=神=聖と一体化する=ing(進行形)ことが、healingの意味になる。一体化した名詞形はhealthにほかならない。YOGAの語義=結ぶ、一体化と同じことである。

1、くつろぎを多めにポーズとポーズの間にはさむ。(刺激と反応を交互に)
・各種のポーズは、例えば肩を動かすポーズであったり、脚裏を伸ばすポーズであったりして、特定の部位に刺激が行く。するとその部位の筋肉の凝りがとれて、血行が良くなったり、その部位の歪みがとれて、神経の働きが回復したりすることが、ヒーリングにつながる。刺激の後にやって来る反応が大事で、それが個人別の効果を発揮する。
★ヨガの特徴的効果は、自律神経系と内分泌系の安定力が増すことにある。
しかし、ポーズをずっと連続的にした場合は肉体の為のエクサザイズ的な効果は出ても、古来からの智恵としての行い方である、「ポーズとくつろぎ」でワンセットとするやり方からでてくる、自律神経安定効果はでにくくなる。ポーズはいわば交感神経緊張刺激になり、くつろぎのポーズは逆に副交感神経刺激になるので、交互に行うことが自律神経のバランスを維持力に協力することになるのである。歪みや筋肉の緊張は交感神経刺激になるから、ポーズを通じ歪みが取れ、筋肉の緊張がほぐれる程、呼吸が深まる程副交感神経が優位に働く。

2、呼吸を中心にする。(動きの形を優先しない、氣の動かし方を優先する)
・呼吸法を抜きにしたヨガはあり得ない。動きの結果として呼吸量が増えて酸素が目的部位に沢山送られる為には、ポーズをしても、その形で呼吸法をすることが大事である。ヨガの効果が細胞レベルで起こって、各内臓の働きが回復したり、若返ったり、皮膚が奇麗になって来るのは、酸素効果であり、それがヒーリングをもたらす。(酸素はプラナ・氣の一部と考えて良い)
★もともとヨガアサナは肉体を相手にしているのではなく、氣の体、心の体、精神体を相手にしているし、呼吸法を抜きにしたら、肉体的効果はあっても、エネルギー効果が低くなる。特に深い呼吸をともなって行うことで、肉体レベルでは、内臓への血行増進効果がでて、各内臓の働きも増すので、細胞レベルで氣・プラナが満ちて来て、ヒーリングに役立つ。ポーズは呼吸力(呼吸・氣)、氣=プラナ・エネルギーのコントロール力を高める練習である。

3、変化の自覚、気づきをもたらす様にする。(刺激と観察の原則)
・ポーズや呼吸法を行うと、心身に必ず何かの変化が起こる。その変化・反応を観察する事が、ものの見方考え方を変えて進化させる契機になる。生命の反応を学ぶ事が、生命の法則に気づく事になる。それが、無意識の固定観念や常識などに縛られた心身を解放することにつながり、とらわれの無い自由な、楽な生き方につながる。
★ヒーリングは自分が自分の異常の原因に気づいて、自分自身で心身生活の偏りを正すことが、基本である。その為には心身に表現される様々な異常感・症状を正しく把握する必要がある。生命が行っていることの意味を理解するには生命の声に耳を傾けることが必要なのである。その視点でみると、ヨガのポーズの実践はいわばポーズという刺激を生命に与えて、その反応=「生命の声」聞く練習である。その意味で、ポーズをする(刺激を与える)、ポーズの刺激に対する生命の反応を観察する、のプロセスが大切なのである。

4、生徒が生徒自身の生命の声に耳を傾ける様にしむけるのが指導員である。
指導員のしごとはポーズのやり方を教える事ではない。指導員は会員や生徒が「ヨガをする」ように導くことが大切である。ヨガの結論は「生命のよろこび」であり、実感的には気持ちが良い、気分が良い、呼吸(息き方)が楽になった、である。この方向に導く。また会員・生徒が自分の身体の状態、生命の声に気づき、生命と会話しだす様に導き、ちょうど良いだけポーズを持続したり、回数を適度に行える様にすることが指導員の仕事である。ポーズのやり方を示したり言うだけでは、即ヨガ指導者と言えない。
*生命の声(形=呼吸にあらわられる。心=気分や気持ちにあらわれる)。
★ヨガは冥想が本質であると言ったら、反論する人はいないのだが、その意味がいまいち理解されていない。ヨガのポーズをとることは、坐して瞑目して座禅・瞑想などをすることの為の準備、という意味しか無いのか?というとそうではない。ポーズとくつろぎを繰り返したり、できないポーズに挑戦して行くことは、脳の柔軟性も高める。筋肉レベルで今までできなかったポーズができるようになることは、肉体レベルで筋肉や内臓の血行状態や柔軟性等を変えてヒーリングに導くだけでなく、その人の脳の状態も変える力がある。慢性的な肩凝りや腰痛は、いわば固定的な脳回路しか使われていないことでもあるが、肩が柔軟になり良く回せる様になる過程は、そのまま、脳のレベルでも従来の回路以外の神経インパルス回路が開かれることでもある。これが慢性的な異常(固定的状態)からの解放になり、回復力になる。よりとらわれない、こだわらない、はからわない心が、体=脳という回路から養われてくる。ポーズをすることは、動的な瞑想に他ならない。