【講師コラム:水野健二】生命力強化法

某日、「生命力強化法」をテーマとするセミナーがありました。今は数多くのヨガがありますが、沖ヨガの特色はこの生命力強化行法(略して強化法)も大きな一つです。そのほかには食養や修正法など生活の中で楽しく、たくましく穏やかに、ともに生きていくことをテーマにしたヨガです。

強化法は見方によるとドタバタワイワイの単なる体操のようですが、私たちは動きを心と体と呼吸を結び付けた行法(ぎょうほう)として行い、人の生きる、たくましく生きていく根源を開発する方法として行っています。

現世人類になって体の構造、脳の構造は変わっていないといいます。その前の旧人類を経て必要があって現世人類になり、能力を発展して現代まで続いています。基本的な能力のどれが欠けても他の生物種が絶滅の歴史といわれるように私たちは滅んでしまっています。現代は長い人類の歴史の中で大きな変換点になっているといってもおかしくありません。今の生活はテレビ、書籍、外食、車バス電車、暖房、エアコン、学歴優位、経済優位となって、人の生命力の低下が目立つようになりました。同時に共同体の意識も低下しました。

この文明下の中で沖ヨガの生命力強化法は心身の強化を目的とし、基本的な身体能力の発達、積極心の育成、そして奉仕的活動ができる思考と体力を得ることができるようになります。沖ヨガ生活行持集の強化行法の誓いでは「私は自分の能力を発揮するためにも他に奉仕協力できる愛の行者になるためにも強い心と体が必要であることを自覚いたしました。」とあります。強化法は呼吸力を深くし、丹田に力がこもり、積極的に仏性力が発揮されるための「行」なのです。

具体的に強化法を行うと身体的に強化されるのは「体幹力」です。要するに下半身の強化である体幹の筋力アップによってもたらされるメリットは以下の通りです。(1)基礎代謝が上がり太りづらい体質になる (2)腹圧が高まるから1歩目が速くなる (3)姿勢を矯正するからケガの予防につながる (4)スポーツや運動能力の向上

これらのことは今までもスポーツトレーニングで良く言われてきていることです。基礎代謝を上げるために筋肉強化は不可欠であること、筋肉の減少で冷えやすくなったりするのはお年寄りや女性によく見られることです。

体幹力の筋を挙げてみましょう。インナーマッスルと言われるのは(1)腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)(2)腹横筋(3)脊柱起立筋などで骨に近い筋肉です。体のコア部分にあたり、姿勢の調整や身体能力の基本的な部分です。

次にアウターマッスルと言う外側の筋肉は体や手足を動かす時の筋肉です。(1)広背筋(2)腹斜筋(3)腹直筋(4)大臀筋・中臀筋がそれにあたります。ウェイトトレーニングのように本来ならここの筋肉を限定して強化するのですが、私たちは強化法としてそれらの筋肉を総合的に強化することを目指します。

筋肉の働きは脳と直結しているために、強化法は行動や動きの目標を作り楽しく、使命感を持って、そして他人を思いやって、自他の能力を高め、安全を考慮する能力を身につけるメリットがあります。そうすることで筋肉は理想どおり「強く縮み」、「柔らかく」、「すばやく緩む」状態になります。その脳との直結は、筋肉の中に運動神経と感覚神経で、それらが共同作業を行っています。よって単なる部分強化やマシンによる無機的な強化でなく、総合的な強化になり、脳の開発法でもありメンタルなトレーニングにもなりますのでこの生命力強化法は最適の心身強化法だと思います。

参考出典:・沖ヨガ生活行持集・体幹力を上げるコアトレーニング(木場克己著)・クリニカルマッサージ(医道の日本社)
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